2024年10月19日土曜日

黒川ひゅうオリジナルインク『空の停留所』 -北斗七星- 発売のお知らせ

先日のお知らせの通り、
三光堂様の店舗様限定インク『空シリーズ 北斗七星』を一部リニューアルし、
黒川ひゅうのインクシリーズとして再販することになりました。

 『北斗七星インク』再販のお知らせ(2024年10月12日)
 https://hyu121.blogspot.com/2024/10/blog-post_12.html

本日Tono&Lims様より納品いただき、検品が完了したところです。
9色のうち、まずは5色を、明日10月20日の文具イベント
ふにふに会(文房具ムフムフ会)&プチ宇宙遊泳名古屋」で販売いたします。
Tono&Lims様、御多忙の中ご用意いただき、大変ありがとうございました。




新シリーズのご紹介です。

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『空の停留所』 -北斗七星-

地元のプラネタリウムの天文クラブに通う小学生でした。
一般向けの投影の一つ前の時間帯で、朝早くに父に車で送ってもらい、
まだ自分の知らない、少しマニアックな星のお話を聴くのが大好きでした。

誕生日に双眼鏡を買ってもらい、晴れた日は必ず星々を見ていました。
空を眺めて、目をふと停めて、星に思いを馳せる、
そんな思い出を、『空の停留所』と名付けました。


中でも好きなのが、北斗七星です。
星の本で見るよりも、実際の空で見る北斗七星はなんとも大きくて、
雄大で迫力のある美しさが大好きです。

北斗七星の回る北天の空と、その空のもとに広がる自然に想像を膨らませて、
それぞれの星たちに情景を託しました。


α星 Dubhe
― 北天の夜空、星たちの煌き
※調整中



β星 Merak
― たまに晴れた日の、待ち焦がれた太陽の光

澄んだ水色のインク/金色のラメ





γ星 Phecda
― 氷の下の海の、もう一つの星空

紫がかった深い青のインク/青いラメ





δ星 Megrez
― オーロラのカーテンの、華やかな色たちの共演

深い青緑のインク/ピンク色のラメ






ε星 Alioth
― 透き通る氷河の洞窟を行く

緑みのある水色のインク/青いラメ







ζ星 Mizar
― 真夜中の針葉樹林の影、オーロラの光
※調整中



Alcor
― 真夜中の針葉樹林の影、雪と氷の輝き
※調整中



η星 Benetnasch
― 長い夜の始まりと、夕焼けの名残り

紺色のインク/赤と黄色のラメ





北極星 Polaris
― 曇天の日の、雪と氷の世界
※調整中



プラネタリウムの上映の始まりは、いつもワクワクしたものです。
昼間の青空と、
東西南北に投影される街並み、
太陽が大急ぎで地平線に沈み、
夕焼けが広がって、
街並みはシルエットになり、
一番星が輝き、二つ目、三つ目、
そして天の川が見えたと思ったら、
落ちて来んばかりの満点の星空に圧倒される。
ー今日はどんなお話を聴けるのだろう?

そんな思い出をパッケージに投影しました。


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新しいシリーズ名『空の停留所』は、上記のコンセプトの他に、
三光堂様の『空シリーズ』から一文字を引き継ぎました。
パッケージの街並みにも、三光堂様のイラストをそのまま残してあります。
時折、三光堂様のことも思い出せたらいいなと思います。

2024年10月12日土曜日

『北斗七星インク』再販のお知らせ

2022年に閉店されました三光堂様で限定インクとして販売されていた
『空シリーズ 北斗七星』をリニューアルし、
Tono&Lims様と黒川ひゅうのコラボインクとして、再販することになりました。

※画像は三光堂様での販売時のものです。

なぜデザインをしただけの人が?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
元々この『北斗七星』インクは、私が個人的に構想していたシリーズでした。

2019年当時はまだ個人作家さんがコラボインクを出す例が極めて少なかった上に、
北斗七星の星一つ一つをインクにしても受け入れられるのか…?
3色目くらいで飽きられるのではないか…?という不安も大きくて、
Tono&Lims様との間にお話はあったものの、
なかなか実現に向けて思い切ることができないでいました。

そんな中、Tono&Lims様から、
三光堂様の限定インクにしてはどうかとご提案いただき、
三光堂様も興味を持ってくださいまして、
シリーズの全容をA4の紙1枚にまとめて三光堂様にプレゼンをし、
採用いただいたのが、『北斗七星』インクが世に出た経緯でした。

三光堂様は全面的に制作を任せてくださいまして、
北斗七星のシリーズであること、
一つ一つの星にそれぞれコンセプトを決めてインクにすること、
北斗七星の輝く北天とその下の大地の自然を色のモチーフにすること、
インクの色の選定、
ラメの選定、
ラベルのデザイン、
パッケージのデザイン、
全て私が構想し納得いくまで色味やデザインを直すのを見守っていただきました。

最終チェックは勿論、三光堂様が厳しい目でご覧になりましたが、
一つの修正も入ることなくGoサインをいただけて、
いつもほっと胸をなでおろしたものです。

そのような経緯でしたため、
三光堂様の閉店のご報告の際に、インクについても、
「是非、黒川ひゅうさんの作品として販売してください」と、
お言葉をいただいております。

三光堂様のお客様にも数多く手に取っていただきましたインクを、
大切に引き継がせていただきます。



リニューアルに際しては、インクの色も、ラメも、パッケージも、
できるだけ当時と変えないようにしています。
ただ、変更せざるを得ない部分がいくつかございます。

・パッケージ上部と裏面ラベルの「三光堂」様の文字
⇒新しいシリーズ名に変更いたします。

・シリーズ名「空シリーズ 北斗七星」
⇒新しいシリーズ名に変更いたします。

※画像は三光堂様での販売時のものです。
「三光堂」様の文字は変更いたします。


・一部のラメの色
⇒現在ではお取り扱いのないラメとのことで、別のラメで調整中です。

・インクの色
⇒変更ございません。

これら以外に、パッケージの街並みや星の位置などを微調整しています。

既に新シリーズ名は決定しており、
パッケージやラベルは印刷していただいています。

販売については、10月20日のプチ宇宙遊泳名古屋で9色…と行きたいところでしたが、
ラメの調整と色味の確認に時間がかかっておりまして、
全色を揃えられない可能性が高いです。
変更の無い半数ほどの色は販売できるのではないかと思います。

慌ただしくて申し訳ございませんが、
またはっきりし次第、お知らせさせていただきます。

2024年10月5日土曜日

グループ展のお知らせ 【Best Artists Exhibition 19】

展示会のお知らせです。

今年も【Best Artists Exhibition 19】に参加させていただきます!
場所は、東京銀座のミレージャギャラリー様です。



↑クリックで拡大↑

毎年10月最終週に開催されている展示会で、
そういえば何年目だったかと数えてみましたら、今年が11回目でした。
ちょうど10年前の2014年が、私の初めての参加でした。
ずっと変わらず展示されている作家様、新しく参加される作家様、
会場のミレージャギャラリー様、
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

展示会では、原画の展示販売の他、ポストカードも販売いたします。
DMの赤い背景のマヌルネコさんも、額装して展示します。
小さめの作品で、新作です!

グッズに関しては置き場所の関係上、
在廊中に、少量のみであれば…という感じになりそうです。
どうかご了承ください。

是非、多くの皆様にお越しいただけましたら幸いです。

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■グループ展【Best Artists Exhibition 19】

■期間: 2024年10月30日(水)~ 11月4日(月祝)
※お休みなし

■時間: 11:00~19:00
※初日は12:00から。最終日は17:00まで。

■入場無料

■場所: ミレージャギャラリー(東京都銀座)
http://www.mireyagallery.com/
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2024年10月3日木曜日

文具イベント参加のお知らせ 【ふにふに会(文房具ムフムフ会)&プチ宇宙遊泳名古屋】 ※10/13追加情報あり

↑クリックで拡大↑


10月20日に名古屋で開催される文具イベントに、
出展させていただくことになりました。

主催は、ふにふに工房様とTono&Lims様です。
ふにふに。さんは、直接存じ上げている革小物作家様、
Tono&Lims様は、ラベルを担当させていただいたインク「Producer Line」や、
三光堂様の「空シリーズ」のインクのメーカー様です。
これまでも沢山お世話になって参りました。

イベントでは、手帳、インク、ガラスペン、紙製品、文具、スタンプなどを中心としたグッズ販売の他、インクを使ったアートのワークショップ等も開催されるそうです。
ワークショップは事前に申し込みが必要ですので、
各出展作家様のSNS等で直接お知らせをご覧いただけましたら幸いです。

黒川ひゅうは、『蛇腹deいろあつめ』とポストカードなどを準備中です。
額装原画も少数でしたら持参できます。
直接ご覧になりたい原画がございましたら、お気軽にご連絡ください。
多分ギリギリまで出展準備をすることになると思います…!
お品物の詳細は、SNSとblogでまた後日アナウンスさせていただきます。
(10月22日追記:blogで出展作品の紹介を十分にできませんでした。すみませんでした。)

黒川ひゅうSNS:
Twitter(現X)BlueskyThreads
※必要最低限の情報発信だけご覧になりたい方は、
 BlueskyかThreadsをご覧ください。

是非多くの皆様にお越しいただけましたら幸いです。


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■ふにふに会(文房具ムフムフ会)&プチ宇宙遊泳名古屋
 A Space Walk 2024 Autumn NAGOYA

■開催日: 2024年10月20日(日)

■時間: 11:00~15:30
※入場15:00まで

■入場料:無料

■場所: 名古屋国際会議場 白鳥ホール(名古屋市熱田区)
https://www.nagoya-congress-center.jp/access/

■主催者様SNS
ふにふに。様 … X(Twitter), Instagram
Tono&Lims様 … X(Twitter), Instagram
イベント関連の注意事項や最新情報はこちらをご覧ください。
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10月5日:
会場配置図が公開されました。
黒川ひゅうは…、入口の目の前です…!

↑クリックで拡大↑



10月13日:
当日のお知らせとお願いが発表されました。
ご参加をご予定されている皆様は、ご一読いただけますと幸いです。

ランダム整理券でのご入場(くじ引きで入場の順番を決定)となりますため、
番号によってはご入場までしばらくお待ちいただく場合がございます。



2024年10月1日火曜日

株式会社オカモトヤ様へのオスモのデザイン提供終了のお知らせ

もう一つ残念なお知らせです。

株式会社オカモトヤ様の「クリエイターズオスモ」の、
デザイン提供を終了する運びとなりました。
今後、新規の制作・販売は無いとのことで、
制作済みの在庫の完売をもって、オカモトヤ様での販売が終了となります。

大変残念ではありますが、オスモのデザイン制作のお声をかけていただき、
文具イベントでもとても盛り上げて販売していただきまして、
大変ありがとうございました。
ノリで制作した絵柄もあり、楽しく参加させていただきました。
お手に取っていただいた皆様も、大変ありがとうございました。

尚、現在購入可能なオスモの在庫で、どの絵柄が何個残っていますかは、
私の方では把握しておりません。
購入をご希望の方は、東京虎ノ門のオカモトヤ様の店舗様に、
お問い合わせいただけましたら幸いです。



著作権については、
こちらも、ご依頼で制作させていただいた1点を除き、
全ての著作権は黒川ひゅうが保有しており、再販が可能です。
その旨もオカモトヤ様に改めてご確認させていただいております。
但し、オカモトヤ様に関連したモチーフ(鈴、店長さん)については、
再販の際には変更させていただくことがございます。

こちらも種類が多いため、
再販は、ご希望をいただいた絵柄から順にできれば、というところです。
その際には、オスモではなく、木の持ち手のスタンプにする予定です。
再販をご希望の絵柄がございましたら、
是非SNS等からお気軽にお寄せいただけましたら嬉しいです。



<提供していましたクリエイターズオスモのデザイン>




※オスモとは、シヤチハタ様から販売されている、オリジナル絵柄で1点から制作できる浸透インキのスタンプです。

三光堂様の閉店に寄せて、そして、提供していた著作物の今後について

以前より商品デザインを多数提供させていただいていました、
名古屋市の万年筆専門店の三光堂様が、2022年に閉店されました。

公式のアナウンスは今までのところございませんが
(2025年3月追記:三光堂様公式のInstagramXで発表されました)、
閉店のご報告をいただいており、著作物のこともありますため、
この度記事にさせていただきます。
お客様でいらした方々から、「三光堂さんって今どうなっていますか…?」と、
とても心配そうに聞かれることもございましたが、
ご事情があり、一定の期間は口外しないでくださいとお願いされておりましたため、
閉店についてお話しできませんでしたこと、ここにお詫び申し上げます。



三光堂様には、私が万年筆とインクに興味を持った最初の頃から、
頻繁に通わせていただいておりました。
万年筆と万年筆ユーザーさんをとても大切にする丁寧な接客と、
温かい雰囲気で、常連のお客様も多く、
SNSの万年筆つながりの方々と店頭でお会いすることもあり、
ふらりと行ってつい長居をしてしまう、心のオアシスのような場所でした。
一ファンとしても、閉店がとても残念でなりません。


イラストレーターとしては、
”万年筆の履歴書”を思い付いてコピー紙で自作してお見せしましたら、
三光堂様の店舗限定商品として販売したいというお話をいただいたり、
私のイラストを使った三光堂様のオリジナルスタンプやインクなど、
シリーズで多数の商品を展開していただきました。

中でも、三光堂様の90周年を記念する限定万年筆のデザインのご依頼は、
あまりにも責任重大で、プレッシャーで眠れない日もあったほどでしたが、
多くのお客様から想像以上にお求めいただいて早々に完売することができ、
今でも「あの万年筆は凄かった」とお褒めのお言葉をいただくことのある、
とても手応えのあったお仕事となりました。

また、原画やポストカードの委託販売でも、
種類が増えたら増えただけ、置き場所もどうぞどうぞと増やしてくださいまして、
多くのお客様のお手に取っていただくことができました。
思い出してもお優しいご対応ばかりで、ただただ感謝しております。

三光堂様を通して私の作品をお手に取ってくださった皆様にも、
この場でお礼申し上げます。
限定万年筆やインク、ポストカード、スタンプなどなど、
買われた方がとても嬉しそうでしたよ、
よくぞこのデザインで作ってくれましたと仰っていましたよ、と、
三光堂様からお客様のお声をお伺いすることもあり、
とても幸せな気持ちで制作を続けることができました。
これまで大変ありがとうございました。

お仕事で関わらせていただいたのは、改めて数えたら6年間という期間でしたが、
もっと長かったような気がしてなりません。
そのくらい充実した日々を、三光堂様と共に歩ませていただきました。
改めまして、大切な店舗様限定商品を多数任せていただきましたこと、
作品を沢山のお客様のお手元に届けていただけましたこと、
三光堂様で過ごした温かな時間と、数えきれないほどのお優しさに、
心より感謝申し上げます。
心より、ありがとうございました。




ここからは少し事務的なお話です。

提供させていただいていたデザインの権利については、
最後に三光堂様にお伺いしました際に、
販売終了後は全ての権利を黒川ひゅうに戻すことで、同意いただいております。

元々、提供させていただいたデザインは殆ど、
黒川ひゅうが独力で考案し制作したもので、
著作権は黒川ひゅうが保有しております。
三光堂様には、”著作物を独占的に利用する許諾を与える”という形式でした。
1点だけ、「ペンズヒストリー 万年筆の履歴書」のみ、
特許の申請をするかもしれないことを考えて、書面で著作権譲渡をしたのですが、
そちらも著作権を含め全ての権利を黒川ひゅうに戻すことで同意いただいております。


つきましては、制作が可能なものは、
同じデザインやリニューアルしたデザインのものを再販することができます。
現在の需要を考慮しつつ、出来るところから少しずつ、
一部の商品から再販を準備しているところです。
もしご希望されるお品物がございましたら、
SNSやHPのメールから、お気軽にお声を寄せていただけましたら幸いです。


三光堂様の閉店は本当にショックで悲しくて、
今でも最後にお伺いした日のことを思い出すと辛いです。
グッズの再販のこともなかなか考える気持ちになれないでおりましたが、
少しずつ前に進めていければと思います。



<ペンズヒストリー 万年筆の履歴書>


<オリジナルスタンプ>


<三光堂様90周年記念限定万年筆>







<オリジナルインク 空シリーズ 北斗七星>



※ラメあり9色の他に、ラメなしも8色展開されました。


<オリジナルインク 空シリーズ 惑星>



※ラメあり9色の他に、ラメなしも8色展開されました。
 ラメなしの最後の9色目の発売前に、残念ながら閉店されました。